韓国への派遣17年、その後パリ本部への派遣と日本を離れた生活がはじまりました。時々私自身の弱さや限界を感じる時、がっかりしたり悲しくなったりしますが、そのたびに力をいただいて、起き上がることが出来るのは、わたしへの最初の呼びかけ、マリ・テレーズが受けた呼びかけに戻ることでした。すなわち「あなたの人生を私に委ねなさい。私があなたの唯一の支え、唯一の喜びになるように…」。「恐れることはない、私はあなたと共にいる。わたしに留まる人は多くの実を結ぶ。」このキリストの言葉を黙想しながら、今も日々新たな力、新たな喜びを感じています。

「委ねていくことの喜び」を始めて体験したのは初誓願の時でした。その時は私の未来がどのようになるのか、神様は私に何を望まれるのか、修道会からどんな仕事を頼まれるのかについては何も心配しませんでした。主と共にあればすべてがうまくいくという信頼の恵みを味わっていたからです。

信仰生活とは何だろうと問いかけていた私にとって創立者の生涯は、私の将来の道筋を照らしてくれるものとなりました。私も神様に愛され、全能の愛で導いていただいている、だからマリ・テレーズ・ド・スビランのように信頼の心で、私自身を委ねていくようにとの強い呼びかけを感じたのです。

私にとって1番感銘をうけたことは、創立者が非常に大切と思われたこと、「目に見えることに惑わされることなく、心の中で常に神様のみ旨を探すこと、そしてこの主と共に家族のように親しく関わること」ということでした。

学校以外のところで出会った母校の創立者の名前に懐かしさを覚え、「へ一!どんな人だったんだろう」と好奇心で読み始めた私は、程なく深い感動をおぼえ、心が熱くなっていくのを感じました。この1冊の本に表された創立者の生涯は決して平坦なものではありません。20歳で会を創立して以来多くの精神的、身体的苦しみを味わわれた生涯がつづられていました。

卒業して数年が経った頃、偶然私が通う教会の図書室で「マリ・テレーズ・ド・スビランの生涯」と題した本を見つけました。それまで私は、中学高校とマリ・テレーズ・ド・スビランが創立した修道会の学校に在籍していましたが、彼女がどのような生き方をした方なのかよく知りませんでした。

呼びかけという神秘な力